「弊社が造らせて頂いた木の家に暮らしてみて」田中太郎さんの感想
田中さんからの感想を拝見した担当設計士からのコメント
【2階リビングの窓が大きいことについて】田中さん夏の感想より
正確には2階リビングの北の窓をやや大振りの窓としました。「お向いさんの庭がりっぱなので2Fから楽しませてもらっています。」と述べられていますが、こういうのを借景と言います。
開口部(窓)の大きさは、設計初期段階からグーグルマップを参考に決めていますが、田中さんの敷地は北側に5.5m幅の道路があり、道路の向こうには借景できそうなお向いさんの庭があり、かつ、そのお向いさんも当面は建て替えなどしそうにありませんでしたので、設計的総合判断で2階の北窓を大振りのものとしました。
北側のおお振り窓の外の花台で、リーフレタス作りを楽しまれているとのことですが、設計担当の私の立場で言うと花台を設置することが第一の目的では無く、それよりも大振りの窓とした為、子供たちの窓からの落下防止の観点から花台を設置しました(落下防止策が先でツジツマ合わせで花台設置)。
家造り参考お役立ちポイント
・2階に大窓などを設置する場合、大窓からの落下防止策として花台を設置するのも一考。
バルコニーやベランダを設置するよりは安上がりになります。
【真夏は2階が暑いです。について】田中さん夏の感想より
昨今の日本の真夏は35度超えになることもしばしばありますので、窓を閉め切りエアコンも付けない状態ではそれなりに暑いということが描写されています。
このことは担当設計士である私も想定内の話しです。
兼好法師は徒然草のなかで「家のつくりようは、夏を旨とすべし」と言いましたが、日本の時に耐えがたい夏の暑さに対してどのように考えているかと言うと、まづ兼好法師からのアドバイスに習い出来るだけ南北通風が利用できるように設計しています。
南北通風とは具体的に言うと、日本の夏の季節風は主に南東風ですので、南側と北側に開口部(アルミサッシ窓)を設置して(窓を開けた場合)南から北に風が抜けるようにしています。これで外に風が吹いていれば、エアコンだけに依存せず、自然風で涼を採ることができます。
ただ現在の日本の夏は、兼好法師の時代では考えられなかったぐらい外気温が上昇します。
たとえ外に風が吹いていて南北通風で涼を採ったとしても、南北通風で行けるのは30度前後までです。
私の事務所でも南北通風で十分行けるのは外気温30度前後までで、外気温33度まであがるとちょっと暑さに癖壁しはじめ、35度ではもう南北通風だけでは暑さにがまん出来なくなり、窓を閉めてしまいエアコンで涼んですごしています。
兼好法師の時代では夏、南北通風で涼を採ることで済んでいましが、現在の耐えがたい日本の暑い夏に対しては兼好法師の時代とは違う、プラスアルファーの対策が必要です。
現在は文明の利器でエアコンがありますし、エアコンをつけた時には冷気を家の中から逃がしにくくする断熱材もありますので、もう暑くてがまん出来ない、となった時はエアコンをつけて家の中で涼めるよう高断熱性能仕様にして対応しています。
※夏の外気温30度前後までは南北通風で涼を採り、外気温33度超えの場合はエアコンで涼を採る、という2段階で考えています。
田中さんも2階のエアコン1台で1階まで涼しくなると述べられていますが、弊社の事務所も1階と2階で100帖の建物ボリュームなのですが2階のエアコン1台(エアコン冷房能力20帖用)で行けています。
家造り参考お役立ちポイント
・夏季、外に風が吹いている時は自然風で涼を採るために、南から北側に風が抜けていくよう、南面と北面に窓を設置する。
南北通風で涼を採ると、その分電気代が浮きます。
【1階の風呂場と脱衣所が不思議とそんなに寒くないことについて】田中さん冬の感想より
一般的には1階床下空間は基礎パッキンからの外気流入があり、冬の床下空間は外気温と同じぐらい下がります。
それに加え1階に設置されたユニットバス廻りは床下空間の空気がグルリとまわっていますので、このユニットバスのまわりをグルリとまわっている低温外気に対する対策をしておかないと、脱衣所はとっても寒くなります。
弊社の標準仕様ではユニットバスのまわりをグルリとまわっている冬の低温空気に対して、ユニットバスに接している内壁と天井(2階の床下)に外壁に充填する断熱材と同じ断熱材を充填しています。
これで脱衣所についてはそんなに寒くなることはありませんが、浴室も寒くないというのは理由があって、田中さんの場合フラット35S金利Bプラン仕様(断熱性能等級最高ランク)としましたので、うちの標準仕様では通常やらないのですが、ユニットバスを追加で断熱強化した為、浴室も不思議と寒くない、ということになったと思います。
家造り参考お役立ちポイント
・1階にユニットバス設置の場合、ユニットバスに接している内壁とユニットバス上(2階床下部)に断熱材を充填しておく。
そうすると脱衣所が寒くなりません。
【2階の小窓から、夕飯を食べながら月が見えることについて】田中さん冬の感想より
はい、はい、気が付いてくれましたね~、ごはんを食べながら月見が出来るよう計算して小窓を設置したんですよッ!、と言いたいところですが、そこまでは考えていませんでした。
先ほども述べましたが窓の大きさと設置位置については、グーグルマップを参考に決めているのですが、ここで言ってる小窓は大窓とは反対の隣家があるほう(南側)に設置されています。
隣家は田中さんの建物に結構近く、その為巾1700㎜×高さ500㎜の窓を上端枠約2000㎜の位置に設置し高窓としたのですが、この時にダイニングテーブルの椅子に座った状態だと、うまく行けば空しか見えないだろう、ぐらいのことは計算していました。月が見えるというのは、担当設計士としては「棚からぼた餅」でした。
家造り参考お役立ちポイント
・家造りの設計計画は、そこそこ腕のある設計士さんに頼んだほうが良い。
そうすると住んでから、「棚からぼた餅」が落ちてくるようなことが起こるかも知れません。
【田中さんの家で工夫していることの参考点+担当設計士からのアドバイスなど】田中さん工夫していること、より
・普段の生活で何かこぼしたりすると跡になるので、半年に1回蜜蝋ワックスを掛けています。
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まめです。なかなかここまではやれません。設計業務が多忙すぎてあまり言う機会もないのですが、使い古しのタオルなどを使って米ヌカ袋を作り(大きさは適当)、それを部屋のあちこちの床に放置しておいて、気が付いたとき、またはやろうと思ったときに足でも手でもどちらでも良いので床をごしごしするか、米ヌカ袋を滑らせると、半年に一回の蜜蝋ワックス掛けと同程度の効果が出ると思います。腰をかがめての作業は疲れるので、なんだったら米ヌカ袋を棒の先に付けお手製のモップで思い立った時にごしごしする、というやり方も良いように思います。
※この米ヌカ袋で床をごしごしするという方法はお勧めで、床の風合いがまるで100年前の古民家かと思うような色艶となります。
・どうしても水がたれてしまうキッチンにはキッチンマットを敷いています。
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生活の知恵ですね。
・洗剤やシャンプーを付けてしまうと木が黒ずんでしまいますが、酢でふくときれいになります。
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私も知りませんでした。どういう効果であったか忘れてしまいましたが、茶殻とかお米のとぎ汁を家のメンテに使うという昔の生活の知恵もありましたよね。
【2階リビングの照明が明かるすぎないことについて】田中さん良かったと思うことより
お客さんとの平面図打ち合わせが終ると、スイッチ、コンセントの位置や、使用する照明の打ち合わせをします。
担当設計士である私個人的な好みで、一番最初に提出する打ち合わせ図面(配線図、照明計画図)では照明器具の数を絞って夜、明るいところと薄暗いところのメリハリが出るように計画するのですが、なかなかこの良さがわかってもらえる方は少ないです。
だいたい最初に提出する照明計画図はボツになり、ここにもあそこにも照明つけてください、となります。
夜の照明は明るいところと薄暗いところがあるようにしたほうが空間にメリハリが出て豊かな表情になるんだけど、、、実際に住んで暮らすのはお客さんだから、しょうがね~な~、となかばあきらめて対応しています。
照明計画打ち合わせでよくあるあるは、特に廊下や通路の照明計画で、通路や廊下は平面図で見ると細長く見えますので、1.5帖~2帖の通路スペースでも照明器具1つで足りるところを、2つも3つも照明器具を付けたがります。
私も最初の1回はここは2帖程度の大きさですから照明器具1つで足りますよ、とアドバイスするのですが、だいたいアドバイスは却下され2つも3つも狭い空間に照明器具をつけるはめになります。
建物が完成して実際の家で暮らしてみて気が付かれ、「望月さんに打ち合わせの時、言われたとおり1つのほうが良かったです」ということになります。
田中さんの場合、私が一番最初に提出した照明計画で決まりましたが、こういうケースはかなり少数です。それで「夜、外から見るとモデルルームのようで満足です。」ということになったと思います。
家造り参考お役立ちポイント
・LDKの照明計画は煌々と明るくせず、明るいところと暗いところのメリハリが出るように、照明器具を絞って計画する。
そうすると夜の空間表情が豊かになります。夜帰宅時にも、まるでモデルルームのような見た目になるかも知れません。
【ロフトの子供部屋がまるで秘密基地のようで楽しいことについて】田中さん良かったと思うことより
大人の感覚で考えると、え~子供部屋がロフトなの~、と抵抗感を持つ方もいるかも知れませんが、子供は意外と小さくて狭い場所が好きだったりします。
立派な?大人である私も秘密基地みたいな空間は落ち着いてスキ!です。
子供のころ押入の中でごっこ遊びをしたり、それこそ秘密基地感を楽しんだ記憶をお持ちの特に昭和世代の方は多いのではないでしょうか。
2022年代の今、住宅用材が過去50年でなかったほど価格高騰しています。建物延べ坪数を減らすと家造りの価格も下がりますので、子供部屋を狭くて楽しい秘密基地のようなロフトにするという手も一考の価値ありです。(まるで番宣みたいと思います?)
はい、はばかりながらこの場を借りて宣伝させて頂きます。
ローコスト住宅ドットコムの活動母体である「本物自然素材と無垢の木で造るローコスト住宅事業部」では、住宅用材の価格高騰と多様性が認められる時代へ移行しつつあることを受け、誰もがとはいかないかもしれませんが、出来る限り誰もがに近づけるべく、価格を抑えて住める家造りをご提供する運びとなりました。
住宅シリーズの名称は、多様性が認められる時代の新しい住まい方「住むタイニーハウス」と命名させて頂きました。
住むタイニーハウスとは小屋のような小さな小さな家のことで、小さな小さな家に料理を作る場所があり、食べる場所があり、用を足す場所があり、体を清潔に保つ場所があり、寝る場所があり、家族それぞれの居場所がある。それ故に空間がギュッ!と濃縮され、豊かで楽しい生活が展開され、まるで家全体が楽しくて小さな秘密基地のような空間となっています。
住むタイニーハウスは基本平屋建てで、まるで秘密基地のようなロフトで家族そろって楽しく雑魚寝という造りとなっており、1階とロフトを合わせた坪数12坪台でコミコミ価格930万円~販売します。ご興味がおありの方は、トップページ住宅シリーズ「住むタイニーハウス」をご参照!
家造り参考お役立ちポイント
・子供部屋をロフトにすると、小さな秘密基地感を楽しむことが出来ます。
その分、建物坪数が減り建物金額も下がります。
田中さんが撮影した、田中家の生活風景
「弊社が造らせて頂いた木の家に暮らしてみて」哲也さんの感想
哲也さんからの感想を拝見した担当設計士からのコメント
【いつも裸足で歩きたくなる家です。についての私個人的連想】哲也さん夏の感想より
弊社では1995年から木の家造りに取り組み始めましたが、その時より1階、2階(ロフトがある時はロフトも)とも杉の床板材を使っています。
一昔前は杉の床板は、床板としては比較的やわらかいので敬遠する方もいました。が、現在では木の造りである場合には杉の床板が主流となっています。
人でも、家造りで使う材料でも短所は裏返せば長所となり、長所は裏返せば短所となります。この杉の床板についても同じことが言え、やわらかくて足触りもソフトで冬でもひんやり感は感じませんが、反面傷つきやすい、へこみやすいということがあります。
一方比較的硬いナラ無垢フローリングやフォルナットなどは傷つきにくくへこみにくいのですが、冬にはスリッパを履かないと足が冷たくなったりします。
これは人に置き変えても同じで、おとなしく、人に対してやさしい人は反面傷つきやすかったり、へこみやすかったりします。
どんな人でも傷ついたこと、辛かったこと、嫌だったことは生きた証として心の記憶として痕跡を残しますので、それと同じように床板も傷ついて良いと考えています。(むしろ傷ついてなんぼじゃ!ぐらいに思っています。)
それは家族が暮らした痕跡として、時に楽しい記憶として想い返され日が来るかもしれません。。
【ロフトの窓には庇が付いているので、基本開けっ放しです。について】哲也さん夏の感想より
特に2階リビングでロフトがある場合には、ロフトに窓を設置するところまではやるようにしています。これは重力換気を狙ってのことで、ロフトの窓を開けておくと下のリビング窓から上のロフト窓へスムースに空気が抜けていくからです(これが重力換気です)。
「ロフトに窓を設置するところまではやる」と歯切れの悪い表現をしましたが、私の設計ではロフト窓に庇を付けるところまでは機転が効きません。
事実、哲也さんの家でロフト窓に庇が付いているのは、設計打ち合わせ時にロフト窓を雨が降っても開けておきたいので庇を付けて欲しい、と言われた為であったことを白状します。
他のお客様も同じような理由があったら言ってくださいね。言われなかったら多分つけないと思います。
(事実、田中さんの外観写真のところでもロフト窓に庇は付いていません。)
家造り参考お役立ちポイント
・ロフトに窓が設置されている場合、窓がある所に庇、または屋根を掛けておくと、多少の雨なら窓を開けておくことができます。
【冬、結露が発生することについて】哲也さん冬の感想より
多分結露が発生するヵ所は冬の窓のことだと思いますが、冬になると窓が結露するという話はたまにあります。ただそう多くはありません。
設計仕様(床、壁、屋根断熱材。窓)についてはどこの家でも同じ仕様ですので、個別の生活スタイルとか敷地環境が影響しているのだと推測します。(田中さんは逆にペアーガラスは結露しなくて良いと言っています。)
冬場、結露が発生する発生条件は以下の通りです。
1・屋内湿度が高い。例えば冬場部屋干しで部屋干しの量も多いとか、煮物をすることが多く水蒸気が大量に発生するとか、敷地が比較的ジメジメしているとかとか。
2・水蒸気を含んだ部屋の空気があまり動かず停滞気味の傾向がある。
1と2の条件が揃うと比較的結露が発生しやすい屋内環境となります。逆に言うと1か2の条件に対する対策を講じると結露しにくい屋内環境にすることができます。
例えば1に対しては、除湿器を使うとか。例えば2に対しては換気をこまめにするとか、部屋の対角線上に熱交換式換気扇と吸気口を設置して常に部屋の空気が動くようにするとか。
冬場に発生する結露に対しては対応策はあります。
カビが大量発生するようでは健康にあまりよろしくない話になりますので考えものですが、窓に結露する程度であればそれほど深刻に考えなくても良いと思っています。
私が設計する家は化粧梁材や杉無垢床板、化粧杉野地板など一般的な家と比較できないほど多量に木材を空間現わしとして使いますので、窓の結露程度なら大丈夫と楽観的にとらえています。
(4寸角の柱1本が湿度コントロールできる水蒸気の量はビールの大瓶6本分という検査データが出ていますので、窓の結露程度であれば問題ナシ!です。)
家造り参考お役立ちポイント
・無垢の木がたくさん空間現わしである場合、木には調湿能力がある為、冬の窓への結露程度なら心配いりません。
【冬場の暖房は2階リビングの絨毯床暖房のみについて】哲也さん冬の感想より
え~ほんとうですか?とうれしい悲鳴を上げてしまいました。
設計士として夏涼しく冬あたたかい家造りを標榜していますので、断熱性能や夏の通風については結構、気を使って設計していますが、まさかここまでとはおもっていませんでしたので、思わず三度見してしまいました。
そう言えば田中さんのところでも、冬場のロフト(子ども部屋)は暖房なしで過ごしたようだと言っていました。
お客様からの冬場の暖かさについての感想は予想以上で想定外です。
床、壁、屋根の断熱性能については、これ以上上がないぐらいの性能の物をつかっていますので、実際に住まわれているお客様の冬のあたたかさについて実感のお話を聞けて良かったと思います。
家造り参考お役立ちポイント
・床、壁、天井(または屋根)を高断熱仕様にしておくと光熱費があまりかからなくなります。
※高断熱仕様にする場合、断熱材にグラスウールを使えば安上がりで済みます。
(弊社の場合は元々標準仕様で高断熱仕様となっています。)
※セルローズファイバーなどですとかなり割高となります。
【小空間なのに広く感じる。ことについて】哲也さん良かったと思うことより
担当設計士である私はどちらかと言うと、10坪台~20坪台の小さな木の家のほうが好きです。
※知り合いの同業社は小さい家は儲からないから、やりたくないと言っていましたが。(事実、確かに小さな家は儲かりません。)
実際、私が設計依頼を受ける建物はそういう小さな家である場合のほうが多く、30坪台の家は私にとっては大きい家の部類に入ります。
例えば建物延べ床面積15坪ぐらいで家族4人が楽しく快適に住める家を設計してほしいと言われたら、もう私の設計スピリッツはメラメラと燃えてしまいます。
※15坪のボリュームに家族4人が楽しく快適に暮らせる家となると、相当の創意工夫、アイデアをこらさなければ実現させることが出来ず、ただただ担当設計士の腕だけがものいうことになります。
哲也さんの家もここで言う小さな木の家の部類に入ります。
設計初期当初の哲也さんご自身は、もしかすると1階リビングを考えていたかもしれませんが、旗竿敷地で四方隣家に囲まれており、敷地の法規制を調べてみると3階建ても建てられる区域であった為、将来の周辺環境の変化を考慮(敷地の四方とも3階建ての建物に囲まれる可能性有り)し2階リビングプランでご提案させて頂きました。
2階リビングプランにして狭さを感じづ広さを感じて暮らしてもらう工夫として、南側には広めのインナーリビングといって隣家が気にならない目透かし目隠し壁がある木製デッキ空間を設置(哲也さんに送って頂いた写真に夏子供がプールで水遊びしているのを見て思わずニッコリ)し、かつ屋根勾配を活かして屋根の高いほうにロフト空間を設置しました。このロフト空間も壁では仕切らず3寸角の手摺を適当な間隔で設置し、ロフト下のリビングからもロフトの奥が見えるようにしました。
もしかすると夏インナーデッキで、子供がプール遊びをしたのは数回だったかもしれませんが、たとえ1回だったしてもそういう楽しい記憶が心に刻まれることはとても大切なことです。
個々人の人生には色々なことが降りかかってきますので、家だけのことに限らず、こういう楽しい記憶は個人の宝となり、辛いこと、苦しいこと、悲しいことがあった時の助けになってくれます。
哲也さんが小空間なのに広く感じることについての担当設計士によるまとめ
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1・2階リピンクとした。
2・水平方向の広さを出す為にリビングの延長空間(インナーリビング)を設けた。
3・垂直方向の広がりを出す為にロフト空間を設け、かつロフト下の2階リビングからロフトの奥まで見通せるようにした。
【担当大工さんのご祝儀(上棟時の)をはずんでおけば良かった。について】哲也さんこうすれば良かったと思うことより
私も含めて男なんかの思考回路など単純馬鹿です。猿もおだてりゃ木に登る、でちょっとした事で気を良くしてその後の関係がスムースになったりするものです。
私なんかも会社では結構熱い男でバリバリ働くのですが、家に帰るとダラダラ野郎に変身しますので、妻なんかにも「ちょっと家でダラダラしないでよッ!自分で食べたお皿ぐらい自分であらいなさいよッ!」なんてガミガミ言われたりして、心の中で「うっせぇッ、うっせぇッ、うっせえわ~」と歌いながら渋々お皿洗いしたりしています。
これが「食べたお皿洗ってくれると助かるんだけど。疲れているのにごめんねッ!チュッ!」なんかしてくれると、馬鹿ですからそのご1週間ぐらいは言われなくても皿洗いするようになります。
世の奥様達、男の思考回路は本当にこれぐらい単純なんです。是非この男の操作術試してみることをお勧めします。
上棟時のご祝儀についても、このちょっとしたことにあたり担当大工さんだけご祝儀を弾んで出しておくと確実に気をよくします。
で、現在弊社では担当(棟梁)大工さんだけ最低3万円のご祝儀は出して頂くようにしています。(本当のことを言うと私もご祝儀欲しいんだけど私の分までは請求していません。)
同じ理由から上棟日のお昼弁当もお施主さんに出してもらうようにしています。しかも一人当たりの昼弁当予算1000円~1500円のちょっとよさげな弁当を用意してもらうよにしています。
上棟当日出される弁当が普段食べる昼弁当より、見た目ちょっとよさげで美味しいとなれば、昼以降の作業のテンションが違ってきます。美味しい弁当食わせてもらったし、昼からも頑張ろう!という気持ちになります。
家造り参考お役立ちポイント
・上棟時、担当(棟梁)大工さんだけでもご祝儀を弾んで出しておく。
そうするとその後の関係がスムースになります。
哲也さんが撮影した、哲也様家の生活風景(地鎮祭から現在までの遷移)
八木さんからの感想を拝見した担当設計士からのコメント
【この家に暮らすことは、すぐ隣を流れる中津川との関わりなくしては語れません。について】八木さん夏の感想より
設計の初めに敷地周辺環境をグーグルマップで確認しながら窓の大きさや位置、東西南北どちらをメインに開口部を設けるか等々色々と悩みながらプランを考えて行くのですが、八木さんの場合プラン造りの迷いとか悩みなど全くありませんでした。
南には清らかな流れの水路があり、北にも清らかな流れの川(中津川)があり、しかも中津川の向こう岸には広葉樹の森が控えていて、紅葉の時期にはどんなに美しい風景が広がるんだょ、という大変自然環境に恵まれすぎている敷地という印象でしたので、もう設計のしょっぱなから設計イメージは出来上がっていました。
南側に大きな開口部を設け清らかな水路とつなげ、特にすばらしい自然風景が広がる北側には掃出し窓を付けるだけでは物足りないと判断し、普段はやらないのですが、北側に吹抜空間を持って行き2階の吹抜部分にも掃出し窓を設置して、自然眺望最優先のプランを考えました。(北側に吹抜と、しかも1階と2階吹抜で巾1間半の掃出し窓2本も付けちゃって、こりゃぁ冬場ちっと寒くなるだろうなと思ったものの、この素晴らしい眺望を最大限生かした設計をしない設計士なんて、設計士としてはペケだろうと考え、思い切ったプランを提出させて頂きました。)
「周囲の景観は美しく、川風がさわやかです。、、、景観と川風をふんだんに部屋の中に取り入れる作りになっています。、、、朝は釣り人の竿ふりをこっそり見ます。、、、川のせせらぎの音がいつでも聞こえます。、、、この家はそれらを十分に活用するよう設計されているのだと、住んでみて感じました。」と述べられているところは、担当設計士である私の目論見通りです。
ただ、それは結果論であって、プラン提出する当初の私は、北側に吹抜を設けしかも冬の寒さを度外視して、あろうことか掃出し窓を上下2連で設置しましたので、もしかするとプラン提出した時にそこらへんのことを八木さんに突っ込まれるかも知れないと警戒しましたので、予防線をはる意味で北側吹抜は後からでも一部屋出来ますよ~、と理由付けを考えて言ったことを白状します。(冬の寒さのことより、自然眺望を最大限生かした設計にしたいという設計士としての欲望が勝っていました。)
家造り参考お役立ちポイント
・建物を建てる敷地が自然環境に恵まれた敷地である場合、眺望が良い方向に大窓を設置することも一考の価値ありです。
そうすると、家の中に自然眺望をとり入れることが出来、豊かな生活を堪能することができます。
【八木さん冬の感想について、担当設計士のコメント】
八木さん夏の感想のところで、北側に吹抜と大きな開口部を設けたので、冬寒くなるだろうと思っていたのですが、どうも私が思っていたより冬の寒さを感じていなかったようです。
「エアコンは1Fと2Fにありますが、たまにしか使用しません。」と述べられていますし、「(暖房機器で)温めれば家の中全体が暖かくなります。」と言っています。
「普段は重ね着をし、、、寝る時はふとんの中に湯たんぽを入れます。確かに多少寒いです、、、」と述べられ、「外は寒くても家の中は常春です、というようなコンセプトは、あまり好みではありません」と述べられていることから、八木さんの場合、寒さについては比較的強いほうなのだと思います。
昨今の耐えがたい日本の暑い夏についてはエアコンでも入れなければ、もうどうしょうもありませんが、冬については少しぐらいの寒さであれば、重ね着で対処するというのは、電気代も値上がりしていますので、冬の生活の工夫として参考になると思います。
【昔から焼杉の家に住むのが夢だった。について】八木さん工夫していることより
設計当初、奥様から「金沢で見た焼杉板の外壁の街並みに惚れこんでいるので、我が家でも自分達で外壁に焼杉板を貼りたい。」という趣旨の話しを聞いていましたので、てっきり奥様からの強いご要望だと思っていたのですが、外壁に焼杉板を貼るのはご主人の夢でもあったのですね。
この話を奥様から聞いた時、まづ私が思ったのは、外壁貼りには材料代しかかからないから(自分達で貼れば手間賃はかからない)、外壁費用がだいぶ安上がりで出来るぞ!と思いました。
八木さんの家の規模だと、職人におまかせした外壁費用(サイディング貼り)はおおよそ65万円(材工)になりますが、自分達で焼杉板を貼れば、焼杉用杉板材費用と焼杉板を貼るステンレス釘費用で22万円しかかかりませんので、職人におまかせした費用と比較すると43万円も安く出来ることになります。
外壁費用が大幅に減額となりますので、なるべく安い見積もり金額を提示したい私としては、大手を振って賛成!の手を挙げさせて頂きました。
ただ、杉板を焼く為のバーナーをお持ちで、バーナーも仕事柄使い慣れているので自分で焼きを入れます、と言われたものの、焼きを入れた杉板を貼るのは結構苦労するだろうなぁ、とは思いました。
ですが、自分達で貼る、という意思の強さを感じましたので、苦労してでもやり遂げるだろうなぁ、という確信を持ちました。
事実、八木さんも焼杉板を貼るのは「大変なこと、大変なこと、大変なこと!!」と述べられていますので、外壁貼りをやり遂げることがとっても大変だったことがわかります。
外壁の焼杉板貼りに限らず、何かに挑戦する時にまづ最初に一番大事なことは、「やる!」という意思の強さで、「やれば出来る!」という思い込みの強さです。この強さがあがれば、ほとんどの事柄を成し遂げてしまうのが人という生き物です。
よくメダルを捕るようなアスリートが「夢はあきらめなければ、必ず叶うんだ!」というメッセージを送ってくれていますが、これは全き本当の話しです。
ちょっとそこのあなた、それはメダルを捕るようなアスリートだから言えることで、われわれ一般人には当てはまらない、と思ったでしょ。
そんなことはありません、「意思の強さ」と、「その意思をどこまでも持続させる」ことがミソで、その覚悟さえあれば不可も可なり、です。
私なんかも性格上、人と同じことをするのは大大大嫌い!なめんどくさい性分なので、結果人がやらないこと、やってないことをすることになるのですが、まわりからは「それは無理じゃない」とか、「そんなこと出来たら神だよね」とか失笑されたりしています。
このお客様からの声を作るときも、だいたいどこの会社もやっているお客様の声なんていう題名自体、気に食わなかったのですが、見る人のことを考えれば、無難な題名にしておいたほうが良いかと考え直しました。
その代わりにお客様からの感想と感想に対する担当設計士のコメント付けは、私が調べた限りどこもやっていませんでしたので、結果ダラダラと私個人的な見解を書かせて頂いています。
物事を成し遂げる為に大事なのは「意思の強さ」と「その意思を空を突き抜けて行くぐらいまでに、どこまでも持続させる」ことだと言いましたが、そのことを描写すると、まるで虫眼鏡で太陽光線(意志力)を一点に集中させた時、紙がその熱量に負け、焼けこげ紙が焼き切れて孔があくような感じです。
私は性分上これと同じようなことが比較的簡単にでき、例えばこのお客様からの声を作るのに5時間でも、10時間でも、1週間でも1カ月でも集中して業務をし続けていることが出来ます。(自画自賛)。
その代わり一旦なにかに集中してしまうと、他のことに切り替えることがほとんどと言っていいほど困難です。(紙が熱量に負けて孔があくまでやめない。自画自賛)
2022年代の今、過去50年になかったほど住宅用材が価格高騰しています。これを見ている、これから家造りを考えてい方も「やれば出来る!」と想い、それをすれば家造りの価格が安くなる工事をみつけて、セルフでやってみません?
家造り参考お役立ちポイント
・例えば、八木さんのように外壁工事など比較的価格が高い工種をセルフでやると家造り費用がかなり減額します。
※その他に壁左官塗り仕上げや電気工事などもセルフでやれてしまう可能性が高い工種です。
※セルフでやる工事期間の目安は、外壁工事(二人)で1週間前後、左官工事(一人)で1週間前後、電気工事(二人)で正味10日前後、といったところでしょうか。
【姪っ子ちゃんは、、、渡り廊下の図書室で本を読み昼寝をします。について】八木さん良かったと思うことより
ここで登場する渡り廊下というのは、敷地に既存母屋が建っているのですが、母屋以外の敷地の空いたスペースに増築(確認申請上は)する、という案件でしたので、外から見ると別の建物が建っているように見えますが、確認申請上は母屋と渡り廊下で繋がった増築の扱いになります。
渡り廊下の大きさは細長の4帖のボリュームで、4畳に1帖の物置スペースが付いています。
渡り廊下南側には、掃出し窓と縁台を設置して月見が出来るイメージで設計しましたし、中津川がある北側にも森が見渡せるように窓を付けました。
また、渡り廊下のみ床、壁、勾配天井とも杉板を貼りおしゃれ感を加えましたので、何かの空間としては使うだろうなぁ、と思っていましたが、姪っ子さんの図書室兼昼寝スペースとして活用されているということで、担当設計士としても微笑ましく思いうれしいです。
※増築で思い出しましたが、確認申請上増築扱いで役所に申請する場合、既存建物(ここでは母屋)のスジカイが現行建築基準法の数量を満たしているかチェックしなければならない、という結構面倒くさいことをさせられるのですが、実は私が担当する前に他の会社の設計士さんが担当されていて、既存母屋のスジカイ量チェックと計算書は既にその設計士さんが作成されていましたので、余計な労力と余計なお金がかかることを避ける意味で、既存母屋スジカイ計算書をそのまま使わせて頂きました。(家造りが少しでも安くなるのなら、「他人のふんどしで相撲をとる」ことも厭いません。自画自賛)
【ローコスト住宅と銘打ちつつも、中身は骨太の本格木造住宅です。について】八木さん良かったと思うことより
はい、私の言いたいことをよくぞ言ってくれました。
ただのローコスト住宅ではなく、無垢の木と自然素材を多用したローコスト住宅です。
タマホームさんあたりの価格には負けるかも知れませんが、弊社がご提供する家造りは無垢の木を使った木の家造りの部類に入りますので、無垢の木と自然素材を多用した木の家造りとしては他の会社に負けない価格でご提供出来ている、と自負しています。
無垢の木と自然素材を多用した家造り、とだけ言わずに、ローコスト住宅とプラス表現したのは、金額的になるべく負担少なく、無理せず健康的な家を手に入れて頂きたい、という想いの強さから「本物自然素材と無垢の木で造るローコスト住宅」という表現を使わせて頂いています。
とはいえ、なにも手を抜いたり「安かろう悪かろう」ではなく、いい物を使いながら、会社の利益をギリギリ、カツカツにしてなるべく安い金額でお出しさせて頂いています。(キッチンやユニットバス、トイレ便器、洗面台については用を満たしていれば良い、という考えから一番安い物をチョイスしています。)
だいたい衣食住というのは、人が人として人らしく生きていく為の必須事項ですから、住宅なんかも本当は無料で提供されるのが理想だと本気で思っています。
正直今は設計業務1本でアップアップしていますので、いつか十分な余力が出来たら、空を突き抜けて行くような意思の粘り強さをもって「やれば出来る!」と思い込むことにしましょう。(家造りを限りなく無料に近づけるには、昔、昔の家造りシステムである「結」を現代版に改良転用する、というアイデアはありますが、気絶してしまうぐらいのエネルギーを使うことになりますので。)
斉藤さんからの感想を拝見した担当設計士からのコメント
【2階真夏の屋根からの熱を心配していた。について】斉藤さん夏の感想より
構造材が現わしであり一般的な住宅にある天井は無いためか、夏の2階の屋根が暑くなり、2階の部屋も暑くなるのではないかと心配される方はしばしばいます。
弊社の屋根断熱材の仕様は、密度24キログラムのグラスウール100ミリ厚の高性能断熱仕様となっていますが、屋根断熱材としては100ミリ厚では薄いのではないかと心配される方もいます。
弊社の事務所も同じ断熱仕様ですが、夏季事務所が暑くなるということはありません。
外気温が35度前後まであがっても、窓を閉め切ってエアコンをつければエアコンもよく効きます。(弊社の事務所は1階と2階で100帖のボリュームがありますが、2階のエアコン1台で1階まで涼しくなります。)
【壁を漆喰にしたので調湿効果もあり過ごしやすい。について】斉藤さん夏の感想より
壁の漆喰塗り厚は3ミリ~5ミリ程度ですので、漆喰壁だけでもそれなりの調湿効果はあると思います。
しかし調湿効果を感じておられるのは、それよりも漆喰塗り仕上げをかける前にヘルスコートという多機能壁下塗り材(遠赤外線効果、抗酸化効果、脱臭効果、調湿効果)を塗ったことと、一般的住宅と比較すると比較にならないぐらい無垢の木を空間現わしにしている為ではないかと思います。
※ヘルスコートは空間湿度を10パーセントコントロールする効果があり、4寸角の柱1本はビールの大瓶6本分の湿度コントロール能力があります。
家造り参考お役立ちポイント
・無垢の木がたくさん空間現わしの家造りは、それだけで調湿性能が高い家となります。
【梁からパチパチ音が鳴ると、冬だなぁと感じます。について】斉藤さん冬の感想より
冬になると、どこからともなく聞こえてくるこの冬の音に関しては、ほぼ全員びっくりするみたいです。
夜な夜などこからともなくパッチン!と鳴った日にはえぇ~、なに!となるのではないでしょうか。
これは冬の乾燥空気による影響で、木が乾燥収縮して割れが入る時の音で構造強度上はなんの問題もありりません。
(入居後数年でパッチン音は鳴りやみます。)
以前、建物が完成してから数年後に梁に割れがはいったので梁を取り換えてほしいという方がいましたが、「構造材ですから出前館みたいに梁を取り換える注文には応じられませんょ。」と言ったことがありました。
設計士として建物完成後の梁の割れについてはどのように考えているかと言うと、人と同じだと捉えています。
生きている以上、肉体的にも精神的にも傷を負うことは不可避であり、誰もが傷を負いながらも毎日を生き抜いているのではないでしょうか。
梁なども同じで、山で育ち家で第二の人生を生きているのですから、傷がついたり割れが入ることは生きてる証です。
斉藤さんの感想のように、「梁からパチパチ音が鳴ると、冬だなぁと感じます。」というおおらかさが、木の家に住む方達には似合います。
家造り参考お役立ちポイント
・無垢の木の家に暮らすと、最初の数年間は合奏員木達による、冬の恒例行事パチ、パチ合唱を聴くことが出来ます。
【斉藤さんの家で工夫していことの参考点+担当設計士からのアドバイスなど】斉藤さん工夫していること、より
・無垢の床に傷をつけてしまった時には、早めに水をつけると修復します。
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これは本当の話しです。無垢の木には修復力がありますので凹んだところに水をひたした布を置いておくだけでも修復します。
ちょっと熱いと感じる程度(50度ぐらい)のお湯をひたして凹んだところに置くと更に修復力が向上します。
以前、自然素材系の家造りをしている工務店が集まった会合に出席したことがあり、凹んだ無垢の木にお湯をひたした布で押さえると凹みが修復する、という話を披露したことがありましたが、失笑をくらってしまいました。
プロの工務店でも知らない人がいるのに、このことを知っているというのはなかなか木の家暮らしの通だと思います。
・無垢の床に洗剤類をこぼすと黒ずむのですが、お酢で拭くと、どこにこぼしたかもわからなくなります。
↓
田中さんのところでも同じことを言っていましたが、私は知りませんでした。
やはり木の家暮らしの通です。
・杉の木は経年変化によって、飴色に変わっていくようで、少しの傷がついても馴染んでいくものなのだと、過ごしていくうちにわかってきました。
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木の家に暮らす方として、このおおらかさが二重丸です。「過ごしていくうちにわかってきました」と言ってることがとても素敵です。
家造り参考お役立ちポイント
・無垢の床板が凹んでしまった場合、50度ぐらいのお湯を浸して布を置いておくと、凹んだところが修復します。
斉藤さんが撮影した、斉藤家の写真
座間さんからの感想を拝見した担当設計士からのコメント
【建物完成後のボルトの緩みについて】
まづ、ボルトは建物完成後緩みます。大工工事時、大工さんがボルトを設置したときに締め、その後、大工工事完了時にもう一度ボルトを締めますが、それでも後からボルトは緩みます。
これは建物完成後木が乾燥収縮する為で、後からボルトが緩むという話は化粧梁構造材が現わしではない一般的な造りの建物(構造梁が天井の裏に隠れている家)でも同じで、一般的な造りの家では後から緩んだボルトを締めるのは大変困難な作業というよりは、ほぼほぼ不可能となりますが、化粧梁現わしの造りだとボルトも現わしとなっていますので、一般的な造りの家と比較して後からでも容易にボルトを締められるので、むしろ都合が良いと考えています。
ボルトが緩み過ぎて外れる、ということはありませんが、出来れば入居後1、2年経過したらソケットを取り外せるタイプのスパナで締めなおすことをお勧めします。1階と2階のボルトを締めるのに1時間程度で作業完了になるかと思います。
【建物完成から数年後、窓を二重サッシにした。について】
弊社の標準仕様の窓はアルミサッシペアーガラスとなっています。
が、たまに銀行ローンを組むときにフラット35Sを希望するお客様もいて、そのような場合、弊社ではフラット35S金利Bプランの断熱性能等級5仕様で対応しています。(フラット35S仕様の時だけ断熱性能等級最高ランクにするのではなく、弊社の標準仕様でもともと床、壁、屋根の断熱材とも最高ランクの断熱仕様となっています。)
フラット35S金利Bプラン(断熱性能等級5)で申請するときには、追加設計業務で断熱計算をして断熱性能数値の確認をするのですが、開口部(アルミサッシ窓)で掃出し窓をたくさん設置した場合の家ですと、微妙に断熱性能数値が足りなくなったりします。
フラット35S金利Bプランで断熱性能数値が足りなかった場合、開口面積が大きい窓(掃出し窓など)だけLow-eガラス仕様に変えると断熱性能数値がクリアするのですが、座間さんの場合はフラット35Sは使いませんでしたので、断熱計算はやっていません。
担当設計士の私の考えでは、神奈川県内(山間部以外) であれば開口部の仕様はアルミサッシペアーガラスで十分と考えています。
座間さんの場合、同業社の会社務めで現場技術系の職種でしたので設計打ち合わせの初めから、玄関庇は建物完成してから自分で付けますので要りません、と言われていましたので初めから玄関屋根は設置しませんでした。
建物完成後の外観写真を見ると玄関庇が確かに設置されていますので、ご自分で設置されたのがわかります。
座間さんの場合、一般人と比較して、比較的かんたな気持ちでなんでもやれてしまう人なので、多分そういうノリであとからアルミサッシ窓に内窓を付けたのだと思います。
【地震時の揺れが少ないことについて】
地震時の揺れが少ないのは、敷地の地盤が比較的良好ということと、設計初期段階から建築基準法の1.5割増しのスジカイ(耐震等級3相当)を1階と2階でバランスよく入れることを目安に設計している、ということが効を奏しているためだと思います。
家造り参考お役立ちポイント
・設計打ち合わせの初めから、建築基準法のスジカイ量(耐力壁)を1.5割を目安にバランスよく入れておいてもらうと、
地震時の揺れを最小限に抑えることができます。
※耐力壁は構造強度上、重要ですが、木製スジカイであれば、大幅にスジカイ量が増えても、それほどコストアップにはなりません。(木製スジカイ耐力壁をバランスよく、たらふく入れることに慣れていない住宅会社でも、コストアップ費用を請求されるのは数万円以内かと思います。)
※間取り設計も大切ですが、構造強度設計と間取り設計を比較すると、優先順位は構造強度設計のほうが上になります。
※大手ハウスメーカーでやっていた大工さんに仕事を頼むこともあり、苦情と言う訳ではありませんが、うちの家造りを担当すると、「スジカイが今までやっていた住宅会社より多すぎる」とよく言われます。
【2階の洗濯物干し用ベランダについて】
設計打ち合わせ時に多くのお施主さんはベランダを欲しがる傾向があり、座間さんの場合も設計当初から2階のベランダを希望されましたので設置しましたが、設計担当の私個人的な見解では2階にベランダはいらない、と思うことが多いです。
(実際私の家でもベランダを物干し場として使ったのは最初の1、2年で、それ以降はほとんど部屋干しとなっています。)洗濯物干しの為のベランダなら不要で、それよりも部屋のどこかに屋内物干しできる場所があったほうが良い、という印象を持っています。
【建物完成後の冬の乾燥期パキパキ音に関して】
弊社の事務所も化粧梁現わしの木の造りですが、最初の数年間は冬の乾燥期になるとあちこちでパッキン!パッチン!と音がしていました。
これは木が乾燥して割れが入る時の音で構造強度上はなんの問題もありません。
みなさん大変この音にびっくりされるようですが、うちでは冬の恒例行事パッキン!パッチン合唱と呼んでいました。(現在は冬の恒例行事はなくなりました)
座間さんが撮影した、座間家の生活風景
お客様からの感想を拝見し終えて、、、、 「担当設計士からの声」
家が完成してから、新居に入居され、そこでの暮らしを始めたお客様たちには、
家族ごとに、そのご家族ならではのそれぞれのストーリーがあり、
ドラマがあり、
笑いと、きっと涙もあり、
そういう毎日をしっかり生きているのだと、感じとることができ、癒されてしまいました。
通常、設計士の仕事は家の設計を終え、着工から無事家が完成するのを見届けたらお役御免となり、その後の家族たちのドラマやストーリーには触れる機会はあまりありません。
今回、お客様からの実際に木の家に暮らしてみての感想と、たくさん頂いた写真からは、住んでからもそれぞれのドラマ、ストーリーがあることを階間みさせて頂き、大変貴重な体験をさせて頂いたと感謝しています。
実はここ数年、お客様の家造りに対する無理難題な要求が、「あまりにも、あまりにも、あまりにも多すぎる!」ことに癖壁としてしまうような設計案件がたて続いていましたので、
よもやよもや、不覚にも設計業務に疲労困憊してしまった不甲斐なしの私は、「もう、やってらんねぇ」と嫌気がさし気味だったのですが、想定外で癒され、ご協力頂けた方達からエネルギーを補充してもらった感じです。
もしかしたらこの時期に、今まで建てさせて頂いた方達と「お客様からの声」という形で再会したのは、
「おまえちょっと仕事に疲れ過ぎてるから、今まで建てたお客さん達に癒されなさいよ」と言う
「神様からの声」があったからだったのかも知れません。
「神様からの声」だったのかは定かではありませんが、
お陰様で、またバリバリ全開!で
設計業務に、
なるべく安い金額でお出しさせて頂くことに、
「やれば出来る!」という思い込みの強さと、
「空を突き抜けて行くような、意思の粘り強さ」をもって、
前へ前へと突き進んでいくことが出来ます。
お客様からの声、写真撮りドタバタ顛末記
某月某日、弊社社内でホームページに弊社で建てさせて頂いたお客様の、木の家に暮らしてみての感想と、お客様に撮ってもらった写真を載せようという話が持ち上がりました。
※弊社で建てさせて頂いた「木の家に暮らしてみての感想」については、良い感想も悪い感想も自由に書いてもらう為、書いて頂く感想項目に「思いつくまま、なんでも自由にお書きください。」と付け加えさせて頂きました。
そこでスタッフ一同、アンケート感想文取りと写真撮り収集に奔走をし始めましたが、写真撮りについては当初、写ルンです27枚撮り(そう今はやりのあの富士フィルムの写るんですです。どこのカメラショップでも在庫切れで、入荷が半年以上先と言われ写ルンですを確保すること自体一苦労でした。)を郵送してお気に入りの場所や生活風景を撮ってもらって送り返して頂く方向で動きはじめました。
が、写ルンですが送り返されてきて、いざ画像現像したら、全部こんな画像で一同大慌て!してしまいました。
↓
写ルンですで屋内撮影する場合のことを調べると、基本屋内撮影する場合フラッシュを炊かなければ真っ暗写真になることと、しかもフラッシュの光が届く撮影可能距離は3mまでであることが判明。
車座会議を開き、写ルンですではよっぽど気を付けて撮って頂かないと、屋内撮影は難しいだろう、という結論に。
急遽みんなで知恵を出し合って、スマホかデジカメならどんなお客様も持っているだろうから、スマホかデジカメで撮ってもらってメール添付ファイルで送信してもらおう、ということで写真撮り収集の方針を大幅変更しました。
お客様に撮って頂いた写真にバラツキがあるのはスマホで撮って頂いたり、デジカメで撮って頂いたり、一眼レフカメラで撮って頂いたりした為です(汗)。
快くご協力をして頂いた皆様にありましては、写真撮りでドタバタしてしまい申し訳ありませんでした。
また、ご足労して頂きこの場を借りて心より感謝申し上げます。
サイト名ローコスト住宅ドットコム「本物自然素材と無垢の木で造るローコスト住宅事業部」スタッフ一同